店の大小に関係なく、一番大事なのはリピーターです。小さな店は回転を命にせず、単価を上げる方向で考えます。ただし、お客さんが通える値段の範囲で、です。
現場で見てきたこと
いかにリピートしてもらうか
小さなお店でも、小さくないお店でも、これは同じです。とにかくリピーターが重要です。
一度来てくれたお客さんに、いかにリピートしていただくか。ここが、かなり重要になります。
小さな店は「回転」を命にしない
飲食店でいう「回転」とは、お客さんを店の中でぐるぐる回すことです。食べ終わったお客さんが帰って、次のお客さんが座る。これを1日に何度も繰り返すほど、売上は上がります。
ただ、小さな店がこの回転を命にしてしまうと、結構大変です。それよりも、単価を上げる方が早いと思います。
通える単価にしておく
とはいえ、単価は大事ですが、無理に単価を上げようとすると、リピートしてくれなくなることがあります。高すぎる店には、頻繁には行けないからです。
だから、お客さんが通える単価にしておきます。単価を上げるなら、長くいてもらって、もう1杯、もう1品と自然に増える形で上げていきます。
データで答え合わせ
ここからは、同じ話を2025〜2026年の調査や統計で確かめていきます。
一番大事なのはリピーター
判定:裏づけあり
2026年のファンくるの調査では、外食する人の82.3%に、よく行くお店があります。通い続ける理由は、味が好き(86.3%)、価格が手頃(62.9%)、入りやすい雰囲気・居心地(47.1%)、スタッフと顔なじみ(12.2%)の順でした[1]。
小さな店の例では、秋田県の事例集に、従業員2人の地方の中華食堂が出てきます。このお店では、お客さんの7〜8割が地元客や常連でした[2]。
一方で、新しいお客さんの入口も見ておく必要があります。宴会の幹事の80.5%は、初めて行くお店で宴会をしていて、そのお店はグルメサイトや検索で探されています[3]。
もうひとつ気になる数字があります。気に入っていた居酒屋に行かなくなった理由の1位は、「単に忘れていた」(21.84%)でした。ただし、この調査は実施年も人数も分かっていません[4]。嫌になって離れたのではなく、忘れられてしまうこともある、ということです。
よく聞く「新しいお客さんを取るのは、常連を守る5倍のコストがかかる」(1:5の法則)は、日本の飲食店で測った数字が見つかりませんでした。
常連を土台にしながら、団体などの新しいお客さんはネットで取る。この二段構えが実態に近い形です。そして、常連に思い出してもらう仕組みも要ります。
小さな店は回転より単価
判定:裏づけあり(2026年は条件つき)
日本フードサービス協会によると、2025年の外食は、前年と比べて売上107.3%、客数102.9%、客単価104.3%でした。売上が伸びたのは、主に単価が上がったためです[5]。
ところが2026年のパブ・居酒屋では、客単価の伸びが101.1〜101.6%に鈍り、客数の伸び(102.0〜104.0%)の方が大きくなりました。チェーン店が、安いランチや割引でお客さんを集めているためです[6]。
お客さんの反応も見ておきます。値上げのあと、注文の仕方が変わった人は63%、来店が減った人は32%でした(2024年11月)[7]。来るのをやめるより、頼む量を減らす人の方が多い、ということです。
その中で、料理の値段は据え置いて、ドリンクだけ値上げした店が好調な例が多いようです[8]。
今の相場での言い方
回転より単価、は今も正しい考え方です。ただし、お客さんが通える値段の範囲で、です。
よく行くお店に通い続ける理由の2位は「価格が手頃」(62.9%)で、値上げのあとに来店が減った人も32%います。2026年は、値上げすると1品の追加やおかわりが減りやすい時期です。
料理は据え置いて、ドリンクやコースで上げる。そうやって、中身が見える形で単価を上げていきます。
出典
- 日本食糧新聞(ファンくる調査、2026年)
- 秋田県 事例集「中華食堂の事例」
- 日本食糧新聞(宴会幹事の調査)
- livedoor NEWS(居酒屋に行かなくなった理由)
- 日本フードサービス協会 2025年 年間データ
- 日本フードサービス協会 2026年7月 月次データ
- ファンくる「値上げと外食の調査」(2024年11月)
- 日本食糧新聞(2026年9月、飲み方の変化)